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私たちが長期インターンシップを積極的に採用している理由とメリット

私たちは、2016年に銀座で設立された法律事務所ですが、2017年頃から大学生の長期インターンシップを積極的に採用しています。これまで約20名以上の大学生を採用してきました。

 

法律事務所でインターンシップを経験したい、又は事務職・アシスタントのインターンシップを経験したいものの、具体的内容が分からない大学生も多いのではないでしょうか。

また、私たちと一緒に働きたいと考える司法修習生にとっても、「事務スタッフがインターン生というのはどうなの?」と思われるかもしれません。

 

そこで、本記事では私たちが大学生の長期インターンシップを積極的に受け入れている理由や、事務所側・大学生側の長期インターンシップのメリットについて説明します。なお、そもそも法律事務所のインターンとはどんなものか知りたい方は下記ページをご覧ください。
おすすめ法律事務所のインターンシップ 初心者向け全知識23項目

 

(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

 

1.     長期インターンシップとは?

本記事の長期インターンシップは、主に秘書・事務スタッフとして就職を考えている大学生を対象として概ね半年から1年以上にわたって法律事務所の実務に触れていただくものです。

弁護士志望の法科大学院生や予備試験受験生向けのいわゆる「サマーインターン」や「ウィンターインターン」とは異なるものです。

(参考)アイシア法律事務所の長期インターンシップの求人情報

 

1.-(1)  長期×有給のインターンシップ

 

私たちのインターンシップは、半年から1年以上という長期間にわたり、かつ勤務時間について時給が生じる点が特徴です。

もともと、インターンシップは短期インターンがメインであり、概ね1日から1週間程度の短期間であり、無償で参加するものでした。

 

私たちのインターン生には大学2~3年生から参加し、就職活動の前後も勤務をして大学卒業まで勤務している方がおられます。

 

1.-(2)  長期有給インターンとアルバイトの違い

 

このように考えると長期有給インターンとアルバイトは何が違うのか疑問に思われるかもしれません。一般的には長期有給インターンとアルバイトの違いは以下のように言われています。

  • 対象が大学生に限定されている
  • 目的はお金ではなく経験・スキルアップ
  • 仕事内容がハイレベル

 

私たちが大学生のインターンシップを受け入れた感想としては、長期有給インターンシップを志望する方は期待値が高いという点が違いです。

アルバイトは良くも悪くもお金を稼ぐためですが、長期有給インターンシップは積極的に仕事を覚えてスキルを上げたいという方が多いように感じています。

 

2.     私たちが長期インターンシップを受け入れたきっかけと理由

 

2.-(1)  きっかけはインターンシップ採用企業の営業

 

私は、法学部→ロースクール→弁護士という経歴であり、一般企業の就職活動などを行ったことがありません。そのため、長期インターンシップという存在について詳しく知っていたわけではありませんでした…笑

 

しかし、大学生のインターンシップ採用を行っている企業から営業を受けたことで、長期インターンシップのことを知って、採用してみることにしました。

 

余談ですが営業を受けることを嫌う方も多いようですが、私は時間があれば営業の方の話を聞いてみるようにしています。もちろん、忙しいときや、しつこい営業活動を受けたときは断りますが。

もちろん、ひどい営業をされる人もいますが、概ね5~10件に1件ぐらいは役に立つ話を聞くことができます。営業の方を完全にシャットアウトするのももったいないと思っています。

 

2.-(2)  長期インターンシップを採用した理由

 

長期インターンシップの話を聞いたときに、私もアルバイトとの違いが分かりませんでした。そして、当時はアルバイト採用を考えていたため、アルバイトを採用する感覚で長期インターンシップの採用に踏み切ったのが本音のところです。

 

現在は長期インターンシップとアルバイトは少し違うなと感じています。やはり長期インターンシップに応募する方は目的意識が明確です。

  • 将来、法律事務所に就職したい
  • 就職活動の準備を行いたい
  • 法律事務所・弁護士の業務に興味がある
  • 弁護士を志望している

 

もっとも、長期インターンシップに応募する方はやる気が高いですが、スキルも高いかというと相関関係はないようです。長期インターンシップ・アルバイトでもスキルの高さ、事務処理能力の正確さは人によるとしか言えません。

 

 

3.     長期インターンシップのメリット(大学生側)

長期インターンシップが大学生側にとってメリットがあるのは就職活動に役立つことだと思います。単にアルバイトをしていた経験よりは、長期インターンシップに参加して得られる経験の方が就職活動に役立つと言えるでしょう。

 

3.-(1)  社会人の基礎が身につく

 

アルバイトは多くの場合はマニュアルに基づく接客や、定められた事務フローに基づいて作業をすることになると思います。この点、長期インターンシップは、むしろ自分で考えて積極的に動くことが求められます。

 

また、スキルが上がってくれば対外的なメール送付や営業の窓口になることもあります。このような対応の前提として、正しい敬語の使い方やビジネスマナーといった社会人の基礎が身に付きます。

 

3.-(2)  仕事の経験が語られるエピソードになる

 

就職活動では、大学時代に頑張ったことなどの経験をエントリーシートに記載したり、面接で聞かれる場面が少なくありません。このようなときに、具体的なエピソードを交えて自己PRができれば加点要素になります。

 

長期インターンシップにおける仕事の経験は自己PRの格好の材料です。とくに長期インターンシップは、業務範囲が定められているアルバイトと異なり、スキルや能力に応じてどんどんハイレベル・責任ある仕事を任せられます。

このような経験をしている学生は他には少ないので、ライバルとなる学生と差をつけるチャンスとも言えます。

 

3.-(3)  お金が貰える:法律事務所で働きたい人向け

 

法律事務所に就職したい大学生はもちろん、将来、弁護士になりたい大学生も私たちのインターンシップに多数参加しています。

純粋にお金を多く稼ぎたいだけなら他のアルバイトもおすすめです。しかし、将来法律事務所で働くことを考えており、何らかのアルバイトをする必要がある方にとっては、長期インターンシップは有給であることもメリットです。

 

補足:法律事務所で働く貴重な経験

 

法律事務所で長期インターンシップをすることは非常に貴重な経験を得ることができます。日常生活を送る上で法律知識があり、弁護士の知り合いが多いことはいざというときの安心材料になります。

 

法律事務所の長期インターンシップに参加すれば、単なる事務職/アシスタントの実務経験が得られるだけでなく、弁護士がどのように考えているのか、簡単な法律関係がどのようなものかが分かります。

 

また、弁護士と仲良くなれば、身近な法律関係や紛争問題について、業務の合間に気軽に相談することができます。また、別会社に就職したとしても、万が一のときに相談できる弁護士がいることは貴重な人脈です。

法律事務所の長期インターンシップに参加するメリットとして、このような点も見逃せないと思います。

 

4.     長期インターンシップの成功例

私たちの長期インターンシップに参加した方の成功例です。

 

4.-(1)  四大法律事務所への就職に成功したインターン生

もともと四大法律事務所に秘書として就職することを希望し、長期インターンシップに参加した方です。四大法律事務所は就職先として人気が高いようです。

私が四大法律事務所出身ということもあり、将来四大法律事務所に就職したい方も私たちの長期インターンシップに参加されることもあるようです。

 

私たちの長期インターンシップに参加し、法律事務所で経験したエピソードを就職活動でうまく活用して四大法律事務所への就職に成功した方もおられます。

 

4.-(2)  当事務所に就職したインターン生

私たちの長期インターンシップでは、参加したインターンシップ生がそのまま当事務所に就職するルートもあります。

とくに長期インターンシップの勤務状況を見て、事務処理能力が高く、信頼できる人間性を備えている方は私たちからお願いをして正社員になって貰うこともあります。

 

私たちの長期インターンシップに参加した方は、当初は法律事務所に就職することは考えていなかったものの、私たちと協議の上で就職いただいた実績もあります。

 

5.     法律事務所側 長期インターンシップのメリット

「長期インターンシップは法律事務所側にどんなメリットがあるの?」、「事務スタッフが大学生なのは不安」と思う方もおられるかもしれません。

しかし、私たちと働くことを希望する若手弁護士・司法修習生の方には、大学生の長期インターンシップは様々なメリットがあることを最後にお伝えしたいと思います。

 

5.-(1)  事務スタッフとしての戦力

 

長期インターンシップは、法律事務所側にとってはアルバイト・パートと同様に事務スタッフとしての戦力と考えることができます。

もちろん法律事務所で長年勤務経験がある熟練のアルバイト・パートには能力的に見劣りがする面も否定できません。

 

しかし、事務スタッフが行う事務作業の中には、電話対応・接客対応や簡単な郵送などの一般事務も少なくありません。そのため、大学生の長期インターンシップでも事務スタッフとして十分な戦力になります。

 

とくに、私たちは多数のお客様からお問合せをいただいており、新規法律相談や受任事件の電話が数多く寄せられます。基本的には、誰もいなければ若手弁護士が電話対応を行うことになりますが、十分なインターン生がいれば電話応対の負担を減らせることが可能です。

 

5.-(2)  事務所内の活気/にぎわい

 

どうしても職場で同じ人間関係が続くと、雰囲気が停滞することがあります。とくに、法律事務所では、弁護士以上の権力を持つ事務員が居て事務所内の雰囲気が悪いという話は枚挙にいとまがありません。

 

長期インターンシップに参加する大学生は、よくもわるくも長くて2年から3年程度で卒業を迎えます。大学生の長期インターンシップを受け入れることは、事務スタッフの流動性が生まれることを意味します。

 

また、法律事務所のインターンを志望する方は女性が多いため、大学生のインターンシップを受け入れることで事務所内の雰囲気が何となく華やかになり、にぎわう点もあります。気持ちよく働ける職場環境という意味では、明るく良い雰囲気を生み出すことに貢献しているメリットがあると考えています。

 

5.-(3)  勤務能力を見た上で採用ができる

 

長期インターンシップを受け入れる目的は、将来的に事務スタッフとして採用をすることもあります。いきなり正社員として雇用することは様々なリスクがありますが、長期インターンシップとして働かせることにより、勤務能力を見た上で採用できる点がメリットと言えます。

 

もし、将来法律事務所で働くことを考えている大学生には、ぜひ積極的に私たちの長期インターンシップに参加して貰えればと思います。

 

6.     まとめ:長期インターンシップは様々なメリット

 

本記事では私たちが長期インターンシップを受け入れるようになった理由や、長期インターンシップは大学生側・法律事務所側にメリットがあることをお伝えしました。

 

長期インターンシップは、法律事務所の現場に出て実務体験を行うものであり、緊張感をもって望む必要があります。大きな損害に繋がるミスがあれば厳しく指導・注意される場面もあります。

 

しかし、社会人として基礎を身につけ、スキルアップができればよりハイレベルな仕事を任せて貰えることはやりがいに繋がります。とくに、法律事務所の業務は他人の役に立つものであり、一層大きなやりがいを感じられると思います。

 

長期インターンシップの参加を考えている大学生は是非積極的にチャレンジしてください。