弁護士検索ポータルサイトの不満3選と解決策

独立・開業した弁護士や営業活動に興味がある司法修習生は、「弁護士検索ポータルサイトは色々あるけどどうなのだろう?」と思っているかもしれません。

 

私は、営業活動に興味があるならポータルサイトに一度は登録した方が良いと思います。しかし、最近は弁護士検索ポータルサイトにはあまり登録していません。

本記事では、なぜ弁護士検索ポータルサイトの登録を辞めたのか、どういう点に不満があるのかを解説したいと思います。

 

営業活動に興味がある若手弁護士や司法修正、そして弁護士検索ポータルサイトの運営者の方には是非ご覧いただければと思います。

 

1.     はじめに:弁護士検索ポータルサイトについて

 

1.-(1)  弁護士検索ポータルサイトとは

 

弁護士検索ポータルサイトは、弁護士と相談者を繋ぐサイトです。

 

悩みや不安を抱えた相談者が同じ都道府県の弁護士を探す機能があります。とくに有名なものは「弁護士ドットコム」ですね。

弁護士ドットコムは、離婚、相続、交通事故の分野別×都道府県で弁護士を検索することができます。その他にも相談者は法テラスが使えるか、初回相談無料かなど詳しい条件を指定して弁護士を探すことができます。

 

その他にも交通事故弁護士ナビなどの「~弁護士ナビ」シリーズもあります。こちらは分野ごとにサイトが分かれており、その中で都道府県ごとに弁護士が探せるようです。

 

1.-(2)  おすすめは弁護士ドットコム

 

初めて弁護士検索ポータルサイトに登録することを考えているなら、以下の理由から弁護士ドットコムにとりあえず登録することをおすすめします。

  • 費用が他サイトに比べて安い(月3~5万円程度)
  • きちんと問合せが来る(とくに離婚分野は強い)
  • 色々な分野を試すことができる
  • 営業のフォローが厚い気がする

 

月3万円の費用は高く感じるかもしれませんが、案件単価30万円でも3か月に1度受任できれば回収して利益が残ります。一度試す価値は十分あるかと思います。

 

2.     弁護士検索ポータルサイトの不満3つ

 

もっとも、私はこれから述べるように既存の弁護士検索ポータルサイトには様々な不満があります。

  • 費用が高い
  • 受任できない
  • 無駄な電話が鳴る

 

2.-(1)  不満①:費用が高い

 

前述した通り弁護士ドットコムの利用費用は月3~5万円程度であり、これなら許容範囲内です。しかし、他媒体では掲載費用が月10万円程度するものもあり、さすがに費用が高すぎやしないかと思います。

やっぱり毎月10万円支払って1件も受任できないと不満が生じますよね…

 

さらに、1か月試したけど効果がでなかったので解約したいとかも原則としてできません。一般的に弁護士検索ポータルサイトは、半年から1年単位での契約を求められます。

単月10万円程度の出費であれば笑って過ごせるとしても、1年契約で効果が出なければ大打撃です。

 

 

このように月額費用が高い×長期契約のため総額も高いという点が弁護士検索ポータルサイトに対する不満です。

 

2.-(2)  不満②:受任できない

 

たぶん、初めて有料登録を考える弁護士は、「登録しても案件受任に繋がらなかったら…」と不安に思ってためらうと思います。

はい、弁護士検索ポータルサイトへの不満②が受任できないです。

 

私の印象だと弁護士ドットコムは何だかんだで多少は受任できている印象です。

これに対し、他媒体では全く受任の気配がないものや、何とか受任したけど筋が悪いのを無理して受任したものもあります。

 

もちろん弁護士検索ポータルサイトに登録したからと言って受任が保証されるわけではありません。また、私も全ての弁護士検索ポータルサイトに登録して検証したわけではありません。

 

しかし、経営者弁護士で意見交換をすると、弁護士検索ポータルサイトは、媒体社ごとに特徴があり、媒体社が出している媒体社ごとでも効果はかなり違うようです。

要するに弁護士検索ポータルサイトは玉石混合であり、受任できない媒体も少なからずあるので注意が必要です。

 

2.-(3)  不満③:無駄な電話が鳴る

 

地味に一番実害が大きいかもしれないのが、「無駄な電話が鳴る」です。

 

これは受任できないとも関連しますが、受任できないには2パターンあります。

  • 全く電話が鳴らない
  • 電話はめちゃくちゃ鳴るが受任できない

 

弁護士検索ポータルサイトは、余程のことがない限り「全く電話が鳴らない」はそう多くありません(私は交通事故分野で経験がありますが…)。

受任できないケースはむしろ電話は鳴るのに受任できないパターンなのです。

 

電話が鳴ったと思っても、

  • お金がないのに困っています。助けてください。
  • ~をやっても犯罪になりませんよね?大丈夫ですよね?
  • 友達が5000円返してくれませんが、どうしたら良いですか?

みたいな内容でどうしようもないのです。

 

無駄な電話が鳴ると作業が中断されたり、勘違いしている相手を説得して法律相談を断る手間が増えたりと良いことは何もありません。

 

このように弁護士検索ポータルサイトは、高い費用を支払って変な電話対応の手間が取られた割に売上に繋がらないリスクがあるので要注意です。では、なぜこのようなことが生じるのでしょうか。

 

3.     弁護士検索ポータルサイト運営者への提言

 

弁護士でありながらWEBマーケティングを日々研究していると、弁護士検索ポータルサイトの運営者が弁護士業務のことを分かっていないことに気付きます。

運営者はあくまでも電話が鳴っているかしか把握することはできず、その後に具体的にどのように受任に繋がったか等は把握できません(弁護士に守秘義務があるので当然です。)。

 

つまり、弁護士にとって本当にメリットがあるようなサイト設計になっていないのです。具体的には以下のような問題があると感じています。

 

3.-(1)  KPIをPVに置くのを止める

 

弁護士検索ポータルサイトの運営者は、とりあえずPVを伸ばす発想ではないかと疑うことがあります。法律に関連する色んなキーワードで上位表示を狙って、月間どれぐらいサイトが閲覧されているのか、閲覧数を伸ばすことが目的になっているように感じます。

 

しかし、例えば、相続問題に力を入れたい弁護士が、「相続放棄 方法」で調べてきた

から法律相談を受けたとしたらどうでしょう?

登録した弁護士は遺産分割や遺留分減殺請求を受任するつもりだったのに、毎日毎日相続放棄について相談を受けたら嫌気がさすでしょう(相続放棄1件いくらで受任される弁護士は別かもしれませんが…)。

 

たしかに「相続放棄」とかは検索する人数は多いと思いますが、そこから弁護士の仕事に繋がる可能性は低いでしょう。

 

しかし、弁護士検索ポータルサイトの運営者は、「相続放棄」で上位表示した記事を見て弁護士に電話相談をする結果について

  • 順調にPV数が伸びている
  • 電話が鳴っている

という観点から良い評価をしてしまいます。

 

3.-(2)  サイトの導線設計を行う

 

他方で、様々な事情から「相続放棄」みたいなキーワードも狙っていくこともあり得ると思います。

  • ドメインパワーを上げるため
  • サイトの認知度向上のため

 

しかし、この場合はサイトの導線設計を弁護士検索ポータルサイト運営者はきっちり行うべきです。なぜか?

 

答え:弁護士事務所には無駄な長電話がかかってくるから

 

例えば、

  • 八百屋さんに電話してトマトの栽培方法を聞く
  • 美容院に簡単な内容なのでセルフカットを教えろと電話する
  • 百貨店でお金がないけど困っているので物をくれと言う

みたいないことは起らないと思いますが、何故かこの不思議が起きるのが弁護士事務所です。

 

無駄にPVが上がって様々な流入があるのであれば、きちんとサイトの導線設計を行うべきです。

  • 筋が悪い問合せが生じる記事からは問合せできないようにする
  • サイト内で相談に適する時期まで教育してから問合せへ誘導する

簡単な思いつきですが、こういう施策をきちんとやらないと弁護士検索ポータルサイトは弁護士にとって非常に満足度の低いサービスになると思います。

 

4.     まとめ

 

本記事では弁護士検索ポータルサイトの不満3選と解決策を提案しました。

結局のところ弁護士検索ポータルサイトは、弁護士がサイト設計をしたわけではない点が致命的な構造を生んでいると感じます。

 

もし弁護士検索ポータルサイトに登録するときは、上記のようなリスクを認識した上で利用されると良いと思います。