Facebookや採用ページで公開していましたが、私たちが2018年中に達成するべき目標として掲げたのが「顧問先企業50社達成」でした。
2018年初の顧問先数は12社であり、2018年中に38社の新規獲得を目指していました。
結果的には顧問先の新規獲得数は約30社程度であり、顧問契約終了もあったため2018年末における顧問先は40社となり目標達成はできませんでした。
弁護士にとって新規顧問先の獲得を重視している方もおられると思います。弁護士6~7名規模の法律事務所として1年当たり約30社程度の顧問先を新規獲得したのは多いか少ないか評価が分かれるところだと思います。
ただ、顧問先を新たに増やす過程で失敗した点、成功した点があったので、顧問先を増やしたいと考えておられる方のために営業手法を公開します。
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
1. 2018年1月から3月末まで
1.-(1) 前進なし!
2018年1月8日付Facebook投稿で、顧問先50社達成を目標として掲げました。しかし、2018年3月末まで何も進んでいませんでした…笑
現在から振り返ると、この時期からスタートをしていれば目標達成できたのにと悔やまれますね。
2018年前半は、新しく弁護士が入ったり、弁護士がすぐ辞めたりと正直雑務に手が取られていました…
1.-(2) 経営者交流会への参加(失敗例①)
一応、2017年末に経営者交流会に参加していたので、毎月2回ずつ経営者交流会に参加していました。
経営者交流会に参加した目的は、紹介営業による顧問先増加を目指すことでした。私が参加した経営者交流会は、テレビに出ている著名人や上場企業の社長なども毎回参加されており非常にハイレベルでした。
しかし、顧問先の新規獲得という点では経営者交流会に参加したのは失敗でした。経営者交流会に参加するのが駄目というわけではなく、私個人には向いていなかったということです。
経営者交流会に参加して顧問先を獲得するためには以下が前提となります。
- 弁護士自身又は専業スタッフの営業力が強い
- 個人的な信頼関係を前提とした顧問先獲得が目的
私は、マーケティングは興味があるものの、営業力はさほど強くありません。また、私個人に対する依頼よりは、事務所全体として顧問先獲得を目的としていました。このような観点からすると、経営者交流会に参加して地道に顧問先を獲得する手法は正直なところ上手く行きませんでした。
もっとも、一般論としては経営者交流会は営業にすごく有効だと思います!
なぜなら私自身が経営者交流会を通じて約100万円程度の購入活動を行ったからです…笑
2. BNIへの参加(失敗例②)
2018年4月からBNIに「弁護士カテゴリー」として参加させていただきました。BNIに参加したことは楽しい活動ではありますが、結果的には約2か月程度で失敗に終わりました。
個人的にはBNIは非常に有効な手段であり、改めて再チャレンジしたい気持ちがあります。ただ、現在のステージや目的との観点では、顧問先を獲得する手法としては選択しませんでした。
BNIを知らない方へ
(外部リンク)BNI:参加のメリット
2.-(1) BNIの良さ
BNIはシステムとして完成度が高く、名刺交換会に参加するよりは間違いなくおすすめできる方法です。
BNIの良さは様々ありますが、チャプターメンバー同士の結束力が強く、基本的にはお願いしたことを実現して貰えることです。前向きで積極的な方が多いため、エネルギーを貰うことができますし、営業の手法を学ぶトレーニングもあります。
私は、BNIを有効活用するならブログやSNSと組み合わせるのが良いような気がしますね。リアルからネットへの導線設計を考えた上で、BNIで協力をお願いすれば爆発的なパワーを発揮できると思います。
2.-(2) なぜBNIの取組みを止めたのか
BNIの手法は個人事業主やスモールビジネスに最適化されていると思います(海外では違うという意見もあるようです。)。
私の推測によれば、BNIからもたらされる売上金額はならすと約500万円程度に収束するのではないかと考えています。
他方でBNIに費やす時間や労力はさほど多くはないとはいえ、少なくとも営業活動全体の10%から20%程度には上ります。
この当たりを考えると年間売上5000万円程度までがBNIが最も有効的な方法ではないかと思いました。逆に言うと、私今後保新規事業をスタートさせるなら最初はBNIに参加すると思います。
2.-(3) 個人的に致命的だった点
BNIに関して躊躇する方は以下のようなことを考えておられるようです。
- 毎回リファーラルを出せるか不安
- ビジターを連れてくるのはハードルが高い…
私のBNIに関する体験談・口コミとしては、リファーラルやビジター招待を心配する必要は全くありませんと断言します。
曲がりなりにもBNI活動を楽しんで、それなりにやっていれば簡単にクリアできると思います。
BNI参加前は全く気付いていなかった点は、個人的に致命的だったのが「毎週同じ場所に行く」でした。
BNIは朝活と思われていて、朝が苦手なので無理と思う人もいますよね?私はこの点は分かっていたので、あえて11時スタートのBNIを選択しました。
しかし、朝がどうこうよりも、致命的に毎週同じ場所に行く義務があることが辛い…ということに気付きました。この点は全く盲点でしたが、かなりストレスになっていたようです。
たぶん、ほとんどの方は「?」となりますよね。でも、私は幼少期から学校や職場も含めて、「行きたければ行く!」を徹底していたので、時間・場所を指定されて義務化されると相当ストレスがかかるようです。
もしかすると不登校になる子どもの中には、こういう性質を持っている子もいるのかもしれません…私は自分自身で全く自覚していなかったのですが、BNIを通じて大きな気付きを得ることができました。
3. アイシア・リーガル・サポートの展開
2018年4月1日からアイシア・リーガル・サポートというサービスを展開しました。アイシア・リーガル・サポートは月額1,980円から利用できる顧問弁護士サービスです。
3.-(1) 格安顧問弁護士サービスについて
(外部リンク)アイシア・リーガル・サポートについて
一般の方は「え?顧問弁護士が月額1,980円」と思われるかもしれませんし、弁護士からは「あ~あれね」と思われるかもしれません。
実は格安顧問弁護士サービスは、大手弁護士法人2社が少なくとも提供しており一部では話題になっていました。当事務所も値下げ競争に身を投じたわけです…笑
3.-(2) 業界最安値水準:月額1,980円~の価格設定
もちろん単なる値下げではなく、ある程度戦略を考えた上でのサービス設計になっています。一番のポイントは月額1,980円という価格設定です。
「値付けは経営」と言いますが、私は価格設定は最も重要だと考えています。
価格設定をするときは様々な戦略ありますが値下げ戦略は基本的に下策です。ただ、下策な値下げ戦略を成功させるためには、「競合他社の半額以下でインパクトを出す。」ことがポイントだと考えます。
1割引き、2割引きは一時的な戦術としてはともかく、少なくとも戦略としては間違っています。戦略的に値下げをするなら徹底に行ってインパクトを出さないと意味がありません。
アイシア・リーガル・サポートは、月額1,980円ですが、これは競合他社に比べて半額のインパクトを出すことを考えて設定しました。
競合他社を考えたときに、A社は実質月額3,333円、B社は月額3,980円でした。月額1,980円は厳密にはA社の半額ではありませんが、パッと見たときの印象で半額以下に見えます。
この点は、どれだけ成功したか分かりませんが、月額1,980円は価格設定をするときに一番考えた点なので説明しておきます。
なお、「水準」とつけているのは全弁護士を全て調査できないからです。「継続的かつ組織的に提供されている有料顧問弁護士サービス」としては私の知る限りは業界最安値です。しかし、顧問弁護士を無料で行っていたり、一時的にお試しでより安い金額の顧問弁護士をやっている人もいると思いますので「水準」としています。
3.-(3) ネット広告/1件当たり7万円
アイシア・リーガル・サポートの集客手法はネット広告ですが、常識的な弁護士の方にはおすすめできません…笑
なぜなら、月額1,980円~の顧問弁護士サービスなのに1件契約するのに宣伝広告費として約7万円程度かかるからです。2018年8月に至っては、宣伝広告費30万円に対して、顧問先増加が1件でした。
出血大サービスというセールストークがありますが、本当に大赤字を垂れ流しながら提供しているサービスです。
ただ、月額1,980円~というインパクトのおかげかネット広告では順調に顧問社数を伸ばすことができました。
意外と月額1,980円の顧問弁護士として私たちを知っていただき、通常の顧問弁護士サービスもリーズナブルだということで通常の顧問弁護士サービスをご契約いただいている方もいるようです。
感覚的には概ね2/3ぐらいがアイシア・リーガル・サポート、残り1/3ぐらいが通常の顧問弁護士サービスをご契約いただいているイメージです。
3.-(4) 格安顧問弁護士サービスの狙い
なぜ大赤字覚悟で格安顧問弁護士サービスを提供しているかは、一言では意地とプライドですね。もう少しかっこよく言えばブランディングかもしれません。短期的な利益を度外視してでも企業法務案件に力を入れたいという姿勢は少なくとも見せています。
少なくとも目先の利益を追求していれば行えることではありませんが、私たちが掲げる日本一の事務所になるという理念を本気で達成するためには必要なことだと思っています。
アイシア・リーガル・サポートを利用される企業様は、今後大きく成長したいという意欲を持っておられる方が多いと感じています。
今後成長する将来のことを考えると万が一のために顧問弁護士を雇いたいが、スタートアップで費用がないという企業様にご利用いただきたいと考えています。
このような成長意欲のある企業様と接点を持つため、アプローチをするためのコストとして考えると宣伝広告費はまた違った意味合いがあると信じて投資をしています。
4. その他の取組み
4.-(1) 士業連携について
税理士の先生方をメインとして、士業連携を図ることもチャレンジしてみました。しかし、営業フローを組み立てる段階で人員不足等を原因として上手く行きませんでした。
他士業からの紹介は弁護士の受任経路として重要なものだと思います。事務所の組織体制がもう少し固まればチャレンジしたいと思います。
4.-(2) 創業手帳様からのご紹介
創業手帳は企業直後の法人に必ず届く経営ガイドブックです。当事務所も弁護士法人を設立したときに届けていただきました。
(外部リンク)創業手帳web
実は、創業手帳の大久保幸世社長は、上記経営者交流会で紹介していただき、事務所が近いこともあってランチをご一緒させていただいたりしました。
現時点ではとくに創業手帳様に広告掲載などを行ってはいませんが、何件か創業手帳様から善意でご紹介いただいております!笑
創業手帳は様々な専門家が載っているので、新設法人の経営者は創業手帳様に結構相談したりされているようですね。創業手帳様に広告掲載すると、資料請求したときに、創業手帳様がパンフレットを送付してくれるようです。
今後の展開として創業手帳様に広告掲載をすることも非常に有効な手段ではないかと考えたので言及させていただきます。
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